
アルバイトのシフト作成時に勤務時間を管理する方法
※2025年2月21日更新
勤務形態が多様化しているなか、従業員一人ひとりの勤務時間を把握することは以前よりも難しくなっています。
特にアルバイトの勤務時間は個人ごとに違いが生じやすく、きちんと把握していなければ賃金の支払い不足や過重労働などの問題につながる可能性もあります。
そのため、アルバイトの労務管理においては、一人ひとりの勤務時間を管理したうえで、それを考慮したシフトの作成が求められます。
この記事では、アルバイトのシフト作成時における勤務時間の管理について、必要性や問題、効率化するシステムを解説します。
アルバイトの勤務時間を管理する必要性
アルバイトの勤務時間を管理することで、正確な賃金計算や労働時間に関する法令の遵守が可能となります。また、有給休暇の付与日数を管理するためにも勤務時間の管理は欠かせません。
正確な賃金計算のため
アルバイトに対して正確な賃金を支払うには、勤務時間も正確に把握しておく必要があります。
勤務時間の管理が不正確だと賃金の支払いを誤る可能性があり、従業員とのトラブルに発展するリスクも生じます。
残業や休日出勤、深夜労働を行っている場合には『労働基準法』第37条による割増賃金も発生するため、連続した労働時間や日時まで含めて正確に把握しておくことが求められます。
▼労働基準法第37条1項・4項
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
引用元:e-Gov法令検索『労働基準法』
出典:e-Gov法令検索『労働基準法』
労働時間の上限を遵守するため
法令で定められた労働時間の上限を遵守するには、従業員一人ひとりについて勤務時間の正確な管理が求められます。
労働基準法第32条では、労働時間について1日8時間・1週間40時間の上限が設けられています。これを法定労働時間と呼びます。
▼労働基準法第32条
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
引用元:e-Gov法令検索『労働基準法』
労働基準法第36条による労使協定を締結すると、法定労働時間を超えて残業させることが可能です。ただし、法定時間外の労働にも上限規制が設けられているため、勤務時間の管理は欠かせません。
▼労働時間の上限規制
画像引用元:厚生労働省『建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)』
なお、労働基準法で定められた労働時間についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
出典:e-Gov法令検索『労働基準法』/厚生労働省『建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)』
有給休暇の付与日数を管理するため
有給休暇の付与日数は、勤続期間だけでなく労働時間・日数によっても変動するため、管理するには一人ひとりの勤務時間の把握が必要です。
▼有給休暇の付与日数
画像引用元:厚生労働省『しっかりマスター労働基準法ーパート・アルバイト編ー』
週の所定労働時間が30時間を超えている場合には、細かな労働日数による付与日数の違いは生じません。
ただし、アルバイトは同一の事業所に雇用される通常の労働者よりも所定労働時間が短くなりやすいため、勤務時間の把握が特に重要といえます。
なお、勤怠管理の重要性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
出典:厚生労働省『しっかりマスター労働基準法ーパート・アルバイト編ー』
シフト作成時に勤務時間を管理する際の問題
アルバイトごとに働き方が異なることから、アルバイトの勤務時間の管理には、さまざまな問題が生じます。
▼勤務時間を管理する際の問題
- アルバイトごとに一日の勤務時間や時間帯が異なる
- アルバイトの掛け持ちを把握しておく必要がある
- 年収の壁について考慮を求められる場合がある
シフトの入り方がアルバイトによって異なるため、勤務時間を個別に管理することが求められます。
また、働いている方によっては複数の職場を掛け持ちしているケースもあります。労働基準法における労働時間の規定は複数の職場での通算で適用されるため、掛け持ちがあるかを把握したうえで、自社で働ける労働時間について確認しておくことが欠かせません。
▼労働基準法第38条1項
(時間計算)
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
引用元:e-Gov法令検索『労働基準法』
さらに、“年収の壁”を意識して働く時間に上限を設けているアルバイトもいます。その場合、アルバイトの年収を考慮した勤務時間の管理が必要となります。
なお、年収の壁についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください
出典:e-Gov法令検索『労働基準法』
『シフオプ』でアルバイトの勤務時間管理を効率化!
勤務時間を把握することは重要ですが、就業形態の異なる従業員の勤務時間を正確に把握することは非常に困難といえます。特に非正規社員を多く抱える企業ほど管理は難しくなります。
シフト管理システム『シフオプ』は、システムが全従業員のシフトを集計し勤務時間を計算するため、従来管理者が手作業で行っていた煩雑な計算業務が簡略化できます。
また、労務規定違法といったリスクのあるシフトについてアラートで警告してくれるため、過重労働を事前に防ぐことができます。独自のリスク設定を組むことも可能なため、自社の就業規則に合わせた労務管理が行えます。
人件費計算や人員過不足の調整においては、“モデルシフト表示”機能の活用が便利です。業務に対して必要な人数を見ながら、人件費の予算を考慮したシフト作成ができます。
まとめ
この記事では、アルバイトに対する勤務時間の管理について以下の内容を解説しました。
- アルバイトの勤務時間を管理する必要性
- シフト作成時に勤務時間を管理する際の問題
- シフオプによる勤務時間管理の効率化
アルバイトの労務管理においては、一人ひとりの勤務時間を管理したうえでシフトを作成する必要があります。勤務時間を正確に管理しておくことで、正確な賃金計算や法令の遵守が可能となります。
ただし、アルバイトは個人ごとに働き方が異なるため、勤務時間の管理が煩雑になりやすいといえます。
アルバイトの勤務時間を効率的に管理するには、シフト管理システムの導入が有効です。
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