
働き方改革で求められるコンプライアンスの徹底
2019年4月から順次施行されている働き方改革では、さまざまな改正法が適用されました。なかでも労働基準法や労働安全法に関する項目は、違反すると刑事罰が科されるほど強制力の強い内容となっています。法律・法令の遵守はコンプライアンスと密接な関係にあるため、企業はコンプライアンス体制を強化することが求められます。
今回は働き方改革のなかから、とくにシフト制勤務の職場などで影響が出やすい変更点と、コンプライアンスを徹底するために活用したいITシステムについて解説します。
働き方改革とコンプライアンスの関係性
政府主導で施行される働き方改革とコンプライアンス。これらはなぜ密接な関係にあるのでしょうか。ここでは、働き方の意味とコンプライアンスがどのように関係してくるのか解説します。
国が課題を掲げる働き方改革
働き方改革とは、50年後も人口一億人を維持しつつ、国民一人ひとりが職場や家庭、地域で活躍できる“一億総活躍社会”を目指す取り組みのことです。その目的には、各個人がライフスタイルやスキルに合わせ、多様で柔軟な働き方を選択できるようになることが含まれています。
働く人が自由に労働時間や労働場所を自己決定できるようにするためには、企業側が人材確保やシフトの見直しなどを行いながら、従業員が柔軟に働ける環境を整えることが重要です。その一環として、企業の人材確保のために国が助成金を支給して支援するという取り組みも行われています。
働き方改革で問われる企業のコンプライアンス
コンプライアンスとは、企業統治の基本原理の一つで法令厳守を意味します。簡単にいうと、企業が法律や規則に従いながら公平かつ公正に業務を遂行することを指します。
また、企業におけるコンプライアンスには、広義の意味として企業倫理や社内・社外規範、道徳観なども含まれています。コンプライアンスを徹底することは企業や従業員が消費者やクライアント、一般市民の信頼を獲得し、ひいては企業価値の向上へとつながります。
働き方改革でも重要度が高いさまざまな規定への対応は企業としては必須です。対応をなおざりにしておくと、ともすればコンプライアンス違反となるおそれもあります。
コンプライアンス違反を起こさないために企業が行う対策
働き方改革とコンプライアンス違反についてある程度理解できました。しかし、企業側は実際にどのような対応を行うべきでしょうか。働き方改革の関連法のなかでも、とくに従業員に大きく影響する施策について解説します。
時間外労働の上限規制
時間外労働の上限規制では、時間外労働に上限が設定され、違反すると刑事罰が科されると定められました。
原則として、1か月45時間、1年間360時間以内。繁忙期や特別な事情があった場合でも年間720時間、単月100時間未満(法定休日労働を含む)が限度です。また、2か月から6か月の平均労働時間を80時間以内(法定休日労働含む)にしなければなりません。
これらを実現するには、労働時間が既定の時間を超えないようにシフトを作成するのはもちろん、シフト期間中や勤怠の締め作業時にも管理者が把握しやすいシステムを備えておくことが重要です。
少ない人数で、一人ひとりの限度時間を超えないようシフトを組むのではなく、雇用の促進を行い、従業員を増やすことも労働時間の厳守には必要な対策です。
社会問題化している長時間労働にメスをいれる時間外労働の上限規制は、大企業では2019年4月から、中小企業は2020年4月から実施となっています。
年次有給休暇の取得義務
年次有給休暇の取得義務では、事業者は年間10日以上有給が付与される従業員に対して、正社員・パートを問わず、年に5日以上有給を取得させることが義務づけられました。有給休暇の取得を促す施策として、年に1回以上、3連休で有給休暇を取得することが推奨されています。
また、週に30時間以下の勤務でも、雇入から6か月以上経過している、全労働日の8割以上出勤しているといった要件を満たしていれば有休付与の対象です。従業員の労働時間の上限を守りつつ、有給休暇の取得を促すには、事業者が従業員の勤務状況を把握しておくことが急務です。
年次有給休暇の確実な取得は、大企業・中小企業ともに2019年4月から実施されています。
コンプライアンスを徹底する仕組みが重要
企業にとって、致命的な打撃ともなりえるコンプライアンス違反。働き方改革で今まで以上に労働時間に関する管理の徹底が求められているのはいうまでもありません。
コンプライアンスを徹底するためには、シフト作成の段階で労働基準法に触れていないかを確認できる仕組みを作ることも重要です。
シフト作成・管理ツールの導入で労働時間の管理に役立てる
“シフオプ”は、直感的な操作で従業員のシフトを一元管理できるシフト管理システムです。
従業員がスマートフォンやフィーチャーフォン、パソコンなどからシフト希望の提出ができる機能や、必要人数に対する過不足や人件費を表示する機能、さらには労務規定違反やリスクのあるシフトにアラートを表示させる機能などがあるため、システム上で簡単にシフト作成から従業員への共有までを完了できます。
また、従業員全員にヘルプの募集を一斉送信したり、複数店舗間でシフトを共有したりも可能。事業者と従業員の両者にとってさまざまなメリットがあるITシステムです。
まとめ
働き方改革の施行に伴い、重要度を増してきたコンプライアンスの徹底。企業が講じなければならない対策を検討し、事業者と従業員が無理なく働ける環境を整えるためにも、便利なツールを活用することが効果的です。
今後も順次施行される働き方改革への対応は、シフト管理のシステム化から始めてみてはいかがでしょうか。