
法律が定める年間休日の最低日数と罰則を解説
労働基準法では、従業員の休日や労働時間についてルールが定められており、そのなかの一つに“年間休日”があります。
休日は少なくとも1週に1日、または4週を通じて4日以上付与することが法令で義務づけられています。
人事・労務担当者の方は、年間休日の最低日数や違反にならないケースについて理解を深めておくことが大切です。
この記事では、労働基準法で定められた年間休日の最低日数をはじめ、法令違反にならないケースや違反した場合の罰則について解説します。
出典:厚生労働省『労働時間・休日』
年間休日の最低日数
労働基準法の労働時間と休日の双方のルールを満たすには、年間休日を最低でも105日付与する必要があります。『労働基準法』第35条では、休日は毎週1回または4週を通じて4日付与することが義務づけられています。
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
引用元e-Gov法令検索『労働基準法』
1年間は52週(365日÷7日=約52.14週間)となるため、法定休日の付与日数だけで考えた場合には、52日(1日×52週間=52日)が最低の付与日数となります。
ただし、フルタイムで働く場合は、年間52日の休日だけでは同法令第32条で定められた労働時間の上限を超えてしまいます。
▼労働時間の上限(原則)
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1日8時間・1週40時間のフルタイム勤務の場合、年間に働くことのできる総労働時間は2,085時間(52.14週×40時間=約2,085時間)です。これを日数に換算すると、260日(2,085時間÷8時間=260日)です。
1年は365日のため、年間の労働日数の260日を差し引きすると、年間に必要な休日数は105日(365日-260日=105日)となります。
企業では、法令の最低ラインとなる105日の休日を付与するために、週1日の法定休日だけでなく、法定外休日(所定休日)を加えて週休2日制を採用することが一般的です。
なお、年次有給休暇は、年間休日に含めることができない点に注意する必要があります。
法定休日と所定休日の違いについては、こちらの記事で解説しています。
出典:厚生労働省『労働時間・休日』/e-Gov法令検索『労働基準法』
年間休日105日未満でも違反にならないケース
年間休日が105日未満でも、所定労働時間や勤務形態によっては法令違反とならないケースがあります。
①所定労働時間が8時間未満
所定労働時間が8時間未満のアルバイト・パートは、年間休日の日数が105日未満の場合でも、法令違反にならない場合があります。
年間休日105日という最低ラインは、1日8時間・週40時間のフルタイムで働く場合に必要な法定休日の日数です。
所定労働時間が1日4時間や6時間などの場合は、労働時間の上限時間を超えないため、週1回の休日(年間で52日)を付与すれば問題ありません。
たとえば、1日4時間勤務・週1回の休日の場合、週の労働時間の合計は24時間となります。これを1年間の労働時間に換算すると、1,251時間(52.14週×24時間=約1,251時間)です。
年間に働くことのできる総労働時間の2,085時間を超えていないため、法令違反にはなりません。
②変形労働時間制を採用している
変形労働時間制を採用している場合には、週や月単位で法定労働時間を計算するため、年間休日の考え方も異なります。
変形労働時間制とは、一定期間を平均して1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲で特定の週・日に時間外労働ができる制度です。
年間休日が105日未満であっても、一定期間の労働時間の平均が1週間当たり40時間以内に収まっている場合には法令違反とはなりません。
出典:厚生労働省『労働時間・休日』『1ヶ月又は1年単位の変形労働時間制』
③労使協定を締結している
労使協定(36協定)を締結している場合、上限はありますが、時間外・休日労働を行わせることが可能です。
労使協定による時間外・休日労働の上限は、月45時間・年360日と定められています。この時間に収まる範囲であれば、年間休日が105日を下回っていても法令違反とはなりません。
なお、臨時的な特別な事情があり、特別条項付きの労使協定を締結した場合でも、超えられない時間外・休日労働の上限が設けられています。
特別条項付き36協定における上限規制については、こちらの記事をご確認ください。
出典:厚生労働省『時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』
法定休日を与えなかった場合の罰則
『労働基準法』第119条において、法定休日を与えなかった場合は、同法令第35条違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰則が科されるおそれがあります。
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第六項、第三十七条、第三十九条(第七項を除く。)、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者
引用元:e-Gov法令検索『労働基準法』
前述したように、労使協定によって働かせることのできる時間外・休日労働の上限は、月45時間・年360時間です。
特別条項の有無にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計は、1年を通して月100時間未満、2〜6ヶ月平均で80時間以内に収める必要があります。
従業員のシフト管理を行う際は、毎月の労働時間・休日数だけでなく、年間を通した労務管理を行うことが大切です。
出典:厚生労働省『時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』/e-Gov法令検索『労働基準法』
まとめ
この記事では、年間休日について以下の内容を解説しました。
- 年間休日の最低日数
- 年間休日105日未満でも違反にならないケース
- 法定休日を与えなかった場合の罰則
1日8時間・週40時間のフルタイムで働く場合、年間休日の最低日数は105日となっています。
ただし、一概に105日未満が法令違反になるとはいえません。所定労働時間が8時間未満のアルバイト・パートや、変形労働時間制、労使協定を締結している場合には、105日を下回っても法令違反にならないケースがあります。
法令を遵守した労務管理を行うためには、日頃から従業員の労働時間・休日数を適切に管理しておくことが重要です。
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