営業時間が長い営業形態や年中無休のサービスを提供している企業では、一般的にシフト制が採用されています。

シフト制は必要な時間帯に必要な人員数を配置できるだけではなく、長時間労働の防止にもなります。そのため、“営業時間が長い”“年中無休”といった業態の場合は理にかなった勤務体制といえます。

しかし、一人ひとりの条件に応じて流動的なシフトパターンを用意しているケースでは、シフトの作成・管理業務の負担がかかる傾向にあります。こうしたシフト管理の悩みを解決するのが、“シフト管理サービス”です。シフト管理サービスを活用することで、管理者の負担軽減や業務効率化に役立ちます。

本記事では、シフト管理サービスでできることやサービスの選び方について解説します。

シフト管理サービスとは

シフト管理サービスとは、シフト管理をデジタル化して効率的に行えるサービスのことです。サービスによって備わっている機能や仕様は異なりますが、一般的には以下のような機能が搭載されています。

▼シフト管理サービスの機能例

シフト管理サービスでできること

ここからは、シフト管理サービスによってできることをスタッフと管理者の視点から解説します。

スタッフ側で可能になること

• 自身のデバイス（パソコン・スマートフォンなど）で手軽にシフト希望を提出できる
• 場所・時間を選ばずにシフトを確認できる

紙面で管理するシフトのように、店舗に足を運んでシフト希望を提出したり、確定したシフトを確認したりする必要がなくなるため、利便性の向上につながります。また、シフト希望の提出忘れや確定したシフトの確認漏れを防ぐことにもつながります。

管理者側で可能になること

• 収集・共有・調整の労力を削減できる
• シフト作成を効率化できる
• コンプライアンス違反を未然に防止できる
• 人件費管理を最適化できる
• 組織的なモニタリングができる
• スタッフの稼働率を向上できる

シフト管理サービスを活用することで、業務の一部を自動化できるため、紙面やExcelを利用する場合に比べてシフト管理業務を効率化できます。

また、法令や人件費を考慮した適正な人員配置が可能になり、コンプライアンス違反の防止、稼働率のアップも期待できます。さらに、クラウド上でデータを管理できるサービスであれば、稼働状況やリソースなどをモニタリングすることも可能です。

シフト管理サービスの選び方

シフト管理サービスとひと口にいっても、さまざまなサービスがあり、その機能や特徴は異なります。自社に適したシフト管理サービスを選ぶポイントは次の4つです。

①機能

シフト管理サービスを活用したい理由は企業によって異なります。現状のシフト管理で抱えている課題を洗い出すことで、自社に必要なサービスを把握できます。

そのうえで、自社にとって必要な機能が備わっているサービスを選択しましょう。

▼必要な機能の例

• 人件費予算を管理したい：人件費管理機能
• 勤怠管理システムと連携させたい：連携機能

②勤務形態・頻度

企業によって、勤務形態やシフトの作成頻度は異なります。シフト管理サービスによってフォーマットが異なるため、自社の勤務形態や作成頻度に適しているか事前に確認しておくことがポイントです。

▼勤務形態別の確認事項例

• 24時間の交代制：24時間のタイムテーブルが備わっているか
• 日勤・夕勤・夜勤の3交代制：日勤・夕勤・夜勤で個別にシフトを作成できるか
• 週単位のシフト制：週単位でシフトを作成できるか

③費用

シフト管理サービスは、買い切り型のオンプレミス製品やクラウド型のサブスクリプションなどによって費用形態が異なります。

利用人数または店舗数に合わせた従量課金制が一般的のため、自社の規模やスタッフ数に応じて選ぶのがポイントです。また、初期費用の有無も確認しておく必要があります。

▼費用の例

• 店舗数による従量課金制：1店舗につき○円/月
• 利用人数による従量課金制：1人あたり○円/月、50ユーザーまで〇円/月

④使いやすさ

幅広い年齢・属性の人が働いている職場では、システム活用に不慣れな人もいます。そのため、システムの使いやすさにも配慮する必要があります。

多彩な機能があっても、操作が複雑で使いにくい場合、かえって時間がかかってしまうケースがあります。また、導入後に定着しないケースも考えられます。システムの導入前は、画面や操作方法を確認しておくことがポイントです。

▼使いやすさに関わる機能の確認事項例

• 幅広いデバイス（パソコン・スマートフォン・フィーチャーフォン）に対応しているか
• ツールの知識がなくても、直感的に操作できるか
• 文字が大きい、または大きさを調整できるか

⑤共有方法

作成したシフトをスタッフに個別で共有する場合、管理者の負担となるほか、連絡ミスが発生する可能性もあります。

シフト管理サービスを選択する際は、シフトの共有方法についても確認しておくと安心です。

▼便利なシフト共有機能の例

• アプリによる自動通知機能
• メールによる一斉送信機能

シフト管理を効率化するうえで欠かせないスタッフへの連絡方法については、こちらの記事をご参照ください。

▼煩雑な作業を簡単に！ シフト管理を効率化する連絡方法について

まとめ

シフト管理サービスを活用することで、シフト作成にかかる時間・労力を削減して、コンプライアンスリスクの発生を防止しながら、シフト管理業務を効率化できます。データをクラウドで一元管理できるサービスを選べば、組織的なモニタリングによって各店舗の労働状況を可視化することも可能です。

シフト管理サービスを選ぶ際は、自社が必要とする機能を備えているか確認することが大切です。

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